遺言書と遺留分の侵害
相続において、被相続人の意思である遺言書は最優先され、基本的に遺言書の内容に基づいて相続手続きを進めていくことになります。その際、手続きを進める上で注意すべきポイントが「遺留分の侵害」です。
例えば、全財産を知人に渡す、相続人には財産を渡さないなど、このような内容が遺言書に書かれていた場合、遺言書の内容によっては相続人にとって納得できない場合もあるでしょう。
一部の法定相続人は最低限の遺産を受け取ることが保護されており、遺留分を侵害されていた者は遺留分の請求をすることができます。
遺留分の請求をする
遺留分を侵害されている相続人は、侵害する立場にある相続人や受遺者に対して「遺留分侵害額請求権」を行使し、遺留分を取り戻すことができます。
遺留分を請求する場合、まずは遺留分を侵害している相続人や受遺者に対して郵送またはメール等でその旨の意思表示をします。郵送の場合には記録を残すため、内容証明郵便にすることをおすすめします。
この意思表示により、相手が返還してくれることもありますが、応じてくれない、話し合いがつかない場合には家庭裁判所の調停手続きを利用することができます(遺留分侵害額の請求調停)。
なお、調停の申立てや民事訴訟に発展する場合には、相続に詳しい専門家へ依頼すると心強いでしょう。