不動産の名義変更手続きについて

こちらでは相続における不動産の名義変更手続きについてご説明します。

被相続人の相続財産に不動産がある場合、その不動産を取得した相続人は不動産の名義を自分名義に変更する手続きをおこなう必要があります。これらの手続きを相続登記といいます。

相続登記には、相続人全員で遺産の分割方法について話し合う遺産分割協議において作成する遺産分割協議書が必要となります。（遺言書がある場合は、遺産分割協議および遺産分割協議書は不要です。）

現在のところ相続登記には期限が設けられていません。そのため手続きを後回しにするという人は意外と多く、不動産の名義を被相続人のままにしていることでトラブルの原因になっている事案が増えているのが現状です。このような事態を受け2024年に相続登記の義務化を施行されることが決まりました。

不動産の相続登記をおこなわなかったことで起きた問題の事例を紹介します。

Aさん：亡くなったお母様から不動産を相続したが・・・

Aさんは被相続人（亡くなったお母様）から不動産を相続しましたが、維持管理が大変だろうとのことで売却しようと決めました。しかし、相続登記の手続きを進めていくなかで、不動産の名義が15年ほど前に亡くなったAさんの祖父のままになっており、お母様が相続登記の手続きをおこなっていなかったことが判明しました。
相続した不動産をAさん名義にするには、祖父が亡くなった際の遺産分割協議書が必要になります。遺産分割協議書を用意することができない場合には、相続人全員による署名と押印を再び集め作成しなければなりません。

お母様が相続登記をおこなわなかったことで、Aさんは通常よりも余計に時間と手間を要することになってしまいました。

上記のように相続登記をおこなわないことで、後々に厄介な影響を及ぼすことは少なくないため、相続登記をおこなう必要に迫られた際には、後回しにして忘れる事がないよう速やかに手続きをおこなうようにしましょう。

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